留置所で拘束されている場合、着替えや洗濯はどのようにしているのか、外部からは実状がわからないので、実際に留置所での生活を体験された複数の方に教えていただきました。
留置所へ入ってすぐの着替え
留置所に入ってすぐに拘束時の私服をパンツを含めすべて脱ぎ、預けることとなります。(※身体検査も同時に行われます。)
そして留置所から貸し出されるスウェット、Tシャツ、パンツ、靴下を利用することとなりますが、貸し出される衣類は新品ではなく、過去の入所者の方々が使用し、着古されたものです。(※洗濯はされていますが、抵抗感はあります。)
留置所では、入所者の管理がしやすいように服装には制限がかけられています。
【Aさん(男性)の体験談】
パンツは履いていたものをそのまま利用することもできますが、伸縮性に優れている物や、奇抜な構造をしている物、色落ちしそうな物、洗濯乾燥でほつれてしまいそうなものなどは利用不可と言われました。私の履いていたパンツはボクサータイプの赤黒のデザインの物でしたが、利用可能でした。
靴下はくるぶしがちょうど出るものならそのまま利用可能ですが、伸縮性に優れていたり、かかとまでしかない物(かかと履きするタイプ)、丈がくるぶしを隠してしまうもの、5本指に分かれている物、洗濯乾燥に耐えられないと判断されるものは利用不可で、自分の履いていた靴下はかかと履きするタイプだったので、預けることとなりました。
Tシャツは、半袖・Uネック・伸縮性がない(綿100%に近いもの)であればプリントがされていてもそのまま利用可能と説明を受けましたが、私の着ていたTシャツはUネックで綿100%の全面にプリントがあるものでしたが、胸元が開きすぎという理由で、預けることとなりました。
上着やズボンは基本的に利用不可で、預けることとなります。スウェットの上下であっても、フード付きの物やジッパー付きの物、金属やプラスチックなどの飾りがあるもの、上着にポケットが付いていると利用不可です(ズボンはポケット付きでも大丈夫です)。私はジーンズにパーカーでしたので、もちろん預けることとなりました。
私の場合、パンツ(下着)のみそのまま利用できたので、Tシャツ・靴下・スウェット上下を貸し出してもらうこととなりましたが、Tシャツの胸元には[トメ]、スウェットには胸元に[留]と手書きで大きく書かれた物で、毛玉がたくさんついた着古されたものでした。
※留置所によっては、上記の衣類のルールではなく、各留置所によって規定が異なりますので、ご注意ください。
留置所内での日々の着替え事情
留置所によって、着替えのルールは様々ですが、例として東京都内の男性の場合、替えの下着を持っているならば毎日の着替えも可能です。
替えの下着を持っていない場合、留置所から借りることとなるのですが、毎日着替えられるほどの在庫がなく、3~7日に一度着替えが出来る程度(1~2組程度)しか貸し出されません。
勾留者間での衣類の貸し借りは禁止されているので、差し入れを受け多く持っている人から借りることや譲り受けることもできません。
特に男性の場合は留置所内での下着の販売もないため、下着不足は深刻と考える人も多いです。
【Bさん(男性)の体験談】
最初の10日間は自前の下着と貸し出された1組の下着(パンツ、Tシャツ、靴下)で、生活することとなり、追加の下着を留置担当官に求めたが、現在入所者が多いため貸し出せるものがないと言われてしまい、苦労しました。
拘留10日目に家族からTシャツ3枚・パンツ7枚・靴下7足の差し入れがあったので、毎日着替えることが出来、普段の生活がいかに快適であったかを実感でき、家族のありがたさや普段の生活のすばらしさを知ることとなりました。
着替えのタイミングは午前中に留置所内の自分に割り当てられたロッカーに連れて行ってもらい、鍵を開けてもらって着替えを取り出して、その場で不正が無いかを留置担当官によって目視チェックをされながら着替えを行いました。
管理上、着替えを持っていても、決められたタイミングで着替えたいことを申し出ないと着替えはできません。
※留置所によっては、差し入れ可能な数量の上限が3日分など、規定が異なるところもあるので、ご注意ください。
留置所での洗濯
留置所では洗濯は週に1回程度で、洗濯物を留置担当官に預けるとその日のうちに洗濯乾燥されて返却されます。
貸し出し品と差し入れ品を分けることなく、勾留者別に洗濯ネットに入れ、洗濯物をチェックシートに記載しお願いすることとなります。
洗濯中や乾燥中に破けてしまった衣類は、自殺防止や治安維持のため返却されません。(自前の衣類だった場合は、預けることとなります。)
【Cさん(男性)の体験談】
自分のいた留置所では、洗濯は週に1回でした。
留置所には40日ほどお世話になりましたが、着替えや洗濯の自由がないことはとてもつらいものでした。
当初は手持ちの衣類が本当に少なくつらかったですが、のちに差し入れされたスウェット2組&下着7組と、入所時に渡された下着1組・スウェット1組を利用することで、下着は毎日取り換えることが出来ました。
しかし、差し入れがない人は下着を2組程度しか貸し出されていないので、洗濯の間下着をつけないわけにはいかないので、結局週に1度しか着替えることが出来ず、とても辛そうでした。(新品を貸してあげたくても、規則で禁止されているのでどうすることもできません。)
※留置所によっては、週に2回の洗濯が可能なところもあるため、ご注意ください。
女性はさらに厳しい?
女性専用の留置所では、衣類の制限が男性よりも厳しい場合が多く、ブラジャーの利用は基本的に禁止されていたり(大阪府の留置所でのみワイヤーレスタイプが利用可能)、パンツのレッグや丈が短いものは利用できませんし、生理用(2重になっているタイプ)ショーツの利用も禁止されています。
着替えに関しても、男性のように毎日着替えることが出来ないところも多く、週2回のお風呂のタイミングでしか着替えることが出来ないなどと言った厳しい制限のある留置所も多数存在します。
【Dさん(女性)の体験談】
留置所に入る時にすべての衣類は預けることとなり、パンツ・靴下・タオルを購入させられました。
スウェットは留置所より貸し出されたものを着用し、取り調べや検察・裁判所へもスウェットのまま移動し取り調べや質問を受けることとなりました。
家族からTシャツ・パンツ・靴下・スウェットの差し入れをもらい、ようやく落ち着くことが出来ましたが、最初の差し入れ時に白のTシャツを持ってきてもらったのですが、ブラジャーが禁止されているため白のTシャツだと胸がすけてしまう恐れがあるので、受け取ってもらえず、後日黒のTシャツを差し入れてもらいました。
着替えは週に2回あるお風呂のタイミングでのみ可能で、毎日着替えることはできませんでした。
※留置所によっては、着替えのタイミングやお風呂の回数・洗濯の回数、衣類の規定に違いがありますので、ご注意ください。
「さしいれや」での対応
全国の各留置所では、大枠として利用できる衣類は「スウェット上下」「Tシャツ」「パンツ」「靴下」ですが、それぞれの細かい規定については、ずいぶん違うことを把握しています。
お届け先となる留置所の細かなルールをしっかり理解し、適切な差し入れ品をお届けすることにより、他店よりも高い受け取りを実現しています。(2020年度では、99.9%以上の差し入れを実現)
【留置所における靴下の規定例】
靴下は利用可能と言っても、留置所によっては以下のような制限が存在します。
下記規則は一例であり、すべての留置場で適応される規則ではありません。
留置場ごとにルールは異なりますのでご注意ください。
形状 | 5本指タイプが禁止されている場合 足袋タイプが禁止されている場合 ノーマルタイプのみ許可される場合 |
丈 | かかとまでの浅いものは禁止される場合 くるぶしがちょうど出る物のみ許可される場合 くるぶしにかかるかかからない物のみ許可される場合 かかとから10cmちょうどの物のみ許可される場合 ひざ下までなら可能な場合 |
色・柄 | 無地のみ許可 2色まで可能 派手でなければ可能 蛍光色は不可だがその他は可能 |
厚さ | 薄手のみ許可 スポーツ用などの厚手の物は禁止 極端に厚手でなければ許可 |
伸縮性 | ストッキングタイプは禁止 伸縮性の高いものは禁止 ある程度までの伸縮性は許可 |
洗濯乾燥対応 | 洗濯乾燥許可マークがないものは禁止 色落ちの恐れがあるものは禁止 一般的な洗濯機で洗濯してもよいものなら可能 |
など、一部の詳細規定は全国一律ではないので、多くの種類を用意し、お届け先の留置所に合わせて差し入れ品をお届けしております。
また、留置所だけでなく、刑務所や拘置所と言った全国の刑事収容施設への対応も行っております。
刑務所や拘置所は、留置所とは別のルールが存在し、差し入れ品をお届けする際には注意が必要です。