留置所でのお風呂事情

留置所の風呂 留置所

留置所に入ってしまうとお風呂に入れるのか?という疑問がありますが、入ることはできます。

しかしながら毎日お風呂に入ることはできませんし、シャワーだけでも毎日浴びたいと思っても無理です。

男性の留置所では春・秋・冬は10日に1回、夏は週に1回が一般的です。

女性の留置所では週に2回が一般的のようです。

お風呂のルールも着替えや洗濯のルールと同様に、各留置所で異なるようですが、多くの留置所では、部屋単位で入浴時間が15~20分程度割り当てられるようです。

お風呂事情も複数の留置所経験者にヒアリングを行いましたので、ぜひ参考にしてください。

Aさん(男性)の体験談

私は梅雨の時期から夏にかけて勾留されていましたので、風呂に入れるのは初めのころは10日に一度で夏になると週に1度に変わりました。

夏前は10日に一度で、風呂のタイミングが休日(土日祝日)と重なると翌平日となってしまい、運が悪いと風呂になかなか入れませんでした。

大部屋が6つあったのですが、最初に入浴できる部屋はローテーションで順番に指定されます。

風呂へは最初に指定された部屋から4人ずつ入ることとなり、入浴が終わった人が抜けると次の部屋の人で抜けた人数が呼ばれ、風呂に向かいます。

風呂に持ち込めるのは、自分に割り当てられた鍵付きロッカー(着替え・書籍・書類等収納可能)から着替え(スウェット、Tシャツ、パンツ、靴下)を、洗面用具ロッカー(鍵付き)から石鹸とタオルを、留置所内で購入したリンスINシャンプー(あまり品質は良くない)を風呂の入り口前で受け取り、浴場に入ります。

浴場は、シャワーが使える蛇口が2か所、水とお湯の蛇口しかない場所が4か所あり、シャワーは入浴している人同士で譲り合いになります。

浴槽は150cm×100cmくらいで深さは70cmほどで結構深めで、ステンレス製でした。

大人3人が横に並んで同時にぎりぎり入れる大きさでした。

風呂の制限時間は一人20分で、5分前になると見張りの担当官から「あと5分だぞ!」とせかされます。

浴場には外から監視が出来るように窓が付いていて常に監視されていますし、ドアは外からカギがかけられていて、自由に出入りすることが出来ません。

入浴後にはタオルが回収され、乾燥後に洗面用具ロッカーへ戻されます。

また、バスタオルやドライヤーが無いので、髪が長い人は大変そうでした。

風呂上がりには一人一本の綿棒が支給され、利用することが出来ます。(当然、利用後にその場で回収されます。)

Bさん(男性)の体験談

私がお世話になった留置場は、10日に一度風呂がありました。

風呂の順番は部屋ごとに入浴することとなっていて、一番最初に入浴できた次の入浴時には、2番目となり、次は3番目・・・という順番でした。

順番が早いときれいなお湯につかることが出来るので、同部屋の住人と喜びながら風呂に向かいます。

風呂は毎回午前中に実施され、送検や裁判所への移送者は部屋の順番にかかわらず一番最初に入浴できます。

石鹸とシャンプーは留置場から提供されたものを使いますが、シャンプーの質があまりよくなく、髪は常にパサパサ状態でした。

ドライヤーが無いので、髪の長い私はなかなか乾かすことが出来ず、部屋にタオルの持ち込みも禁止されていたので、唯一部屋への持ち込みが許されていたハンカチタオルを駆使して長時間かけて乾かしていました。

Cさん(男性)の体験談

都内某警察署の留置場で3カ月ほど(夏から秋にかけて)生活をしていました。

夏は週に1回の風呂で、夏が終わると10日に1回へ減ってしまいました。

風呂は食事と並ぶ憩いの時間で、いつもとても楽しみにしていました。

風呂場では同部屋の人だけでなく違う部屋の住人達とおしゃべりをしたり歌を歌ったりして過ごしていました。(あまり大声でしゃべったり、歌ったりすると注意を受けます。)

風呂の時間は20分と短く、風呂を出るのが遅れると留置担当官に厳重注意を受けます。

風呂では「年上や先に入所した人の背中を流さなければいけない」などと言ったものはなく、平和そのものです。

私のいた留置場では風呂をボイラーで沸かすのですが、ボイラーの一時的なトラブルで水風呂になってしまい、蛇口やシャワーからも水しか出ない時がありました。

そんなトラブル発生時でも、風呂の時間は延長されませんし、再度の入浴と言ったこともありませんでした。(その後の取り調べや送検などに影響があるため仕方ありません。。。)

また、石鹸・シャンプーしか使えませんので、洗顔フォームなどのぜいたく品はもちろん用意されておりませんし、留置場での購入や差し入れしてもらうこともできませんので、敏感肌で肌トラブルを抱えている人は、常に顔面が真っ赤になっていてかわいそうでした。

留置所では、最低限度の物品で風呂の回数も最小限に制限されています。

これは、留置担当官の人件費・物品の購入費などすべてが税金から支払われているので、贅沢品の提供は国民の理解を得らないので仕方ありません。

タイトルとURLをコピーしました