逮捕されても、自分を守る権利としての「防御権」として以下のようなものが認められています。
- 黙秘権
- 弁護士依頼権
- 接見交通権
- 身体拘束に対する抗告・準抗告を行う権利
- 勾留理由開示の請求権
- 証拠保全請求権
- 証人審問権
などがあります。
黙秘権
ニュースなどで「容疑者は黙秘し・・・」などと報道されることで知られている権利です。
黙秘権は、取り調べなどで、質問に答えることを拒否する権利です。
犯罪を立証するのは、捜査機関の義務であり、逮捕された容疑者(被疑者)には、協力する義務は無いため、黙秘権が認められています。
しかしながら、捜査機関である警察や検察は、何としても逮捕された容疑者から聞き出そうとあの手この手で取り調べを行ってくるので、黙秘を貫くのは容易ではありません。
弁護士依頼権
弁護士を依頼できる権利のことです。
逮捕され取り調べを受けているときでも、留置所で生活しているときでもいつでも「弁護士を雇いたい」「弁護士を呼んでください」と申し出ることで、初回無料の「当番弁護士」や「国選弁護人」、「私選弁護人」として知り合いの弁護士や、お金がなかった場合でも、日弁連が費用を払ってくれる「刑事被疑者弁護援助制度」を利用すれば無料で私選弁護士を雇うことが可能となります。
接見交通権
弁護士を依頼しても、面会(接見)して話が出来なければ何の意味もありません。
弁護士は、警察官などの立会人なしで逮捕された人と面会が出来、書類や物品を受け渡すことが出来る権利です。
裁判所から、接見禁止処分が下されている場合でも、弁護士は面会が出来ます。
抗告・準抗告を行う権利
勾留する理由・必要性がないのにもかかわらず、裁判所が下した勾留決定が不当であると訴える権利です。
しかしながら、訴えてもほとんどの場合却下されるのが現状です。
勾留理由開示の請求権
裁判所が下した勾留決定の理由を開示するよう、請求できる権利です。
しかしながら、開示された勾留理由のほとんどが、
- 逃亡の恐れがある
- 証拠隠滅の恐れがある
この2点で済まされてしまいますし、これを覆すはとても難しいようです。
証拠保全請求権
警察などの捜査機関は、証拠を集めるために家宅捜索を行ったり、押収したりしますが、逮捕されていては何もできません。
しかし、逮捕されてしまっている容疑者側としても、自分の状況が有利になるように、弁護士や仲間たちに証拠を集めてもらいますが、目撃情報や重要な証拠を持っている人が裁判前に海外に行ってしまったり、相手方が証拠を隠滅してしまわないように、裁判所に強制処分を請求したり、証人尋問を請求したりすることが出来ます。
証人審問権
証拠保全請求権にも含まれますが、裁判で目撃情報や証拠を公にしてもらうために、証人尋問を請求する権利があります。
まとめ
このように、逮捕されてしまっても、自分を守るために権利は補償されています。
しかしながら、今逮捕されてしまっている本人は、インターネットで調べることもできませんし、捜査機関である警察も、これらのことをすべて親切に教えてくれるというわけでもありません。
まずは、当番弁護士と面会しているかどうか、家族としては確認が出来ますので、逮捕されている警察署のある地域の弁護士会へ連絡し、無料の当番弁護士を依頼することから始めてください。