犯罪認知件数と検挙率

検挙率 事件

日本で起こっている犯罪のすべてが警察によって把握されているわけではありません。

被害者や目撃者による届け出が無ければ警察による犯罪の把握はできません。

犯罪認知件数は、犯罪発生の届出受理件数であり、実際の犯罪件数とは異なります。

認知されている(把握されている)犯罪の中で、どのくらい検挙(容疑者の特定=逮捕したり、任意同行させたり)できているのか、平成29年の警察庁のデータで確認します。

検挙=逮捕ではありません。

検挙とは、捜査機関が犯罪の被疑者や違反行為を特定することで、逮捕は特定された被疑者の身柄を強制的に拘束・留置することです。

(↑平成29年のデータは平成30年に公開)

公式データによると、

認知件数検挙件数検挙人員検挙率
刑法犯総数915,042327,081215,00335.7%
凶悪犯4,8404,1934,06786.6%
粗暴犯60,09949,13551,25381.7%
窃盗犯655,498204,296109,23831.1%
知能犯47,00920,96512,42244.5%
風俗犯9,6997,0485,47772.6%
その他の刑法犯137,89741,44432,54630.0%

全認知件数が 915,042 で検挙した数が 327,081 となっていますので、全体の検挙率は約36%となりました。

検挙件数と検挙人員が異なっているのは、同じ人が複数の事件を起こしているので、検挙件数よりも検挙人員が少なくなります。

せっかく通報しても1/3しか捕まえないのかと思われるかもしれませんが、警察も人員が限られており、すべての事件を解決できていません。

しかし、優先順位の高い、凶悪犯(殺人、強盗、放火、強姦)の検挙率は約87%と非常に高いくなっています。

凶悪犯殺人、強盗、放火、強姦 86.6%
粗暴犯暴行、傷害、脅迫、恐喝、凶器準備集合 81.7%
窃盗犯窃盗 31.1%
知能犯詐欺、横領(占有離脱物横領を除く。)、偽造、汚職、背任、「公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律」に規定する罪 44.5%
風俗犯賭博、わいせつ 72.6%
その他の刑法犯公務執行妨害、住居侵入、逮捕監禁、器物損壊等上記に掲げるもの以外の刑法犯 30.0%

凶悪犯罪や粗暴犯罪といった、生命の危険に直結する事件については、8割以上と高水準の検挙率となっています。これらの重大犯罪の容疑者は、検挙とともに逮捕され留置場に入れられます。

窃盗には万引き・置き引き・スリなども含まれる上、全力で逃げてしまっているため、なかなか検挙率が上がりにくい傾向ですが、防犯カメラ設置数の増加などにより、発生件数自体が減少傾向にあるようです。

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