突然の逮捕…職員への贈り物を考えたあなたへ
ある日、家族や大切な人が突然逮捕され、留置場や拘置所に入れられてしまった。。。 普段の生活ではまったく縁のなかった世界に、急に向き合うことになったとき、不安や戸惑いでいっぱいになるのは当然のことです。
「何かできることはないか」と考える中で、「お世話になる職員さんにせめてお礼として何か差し入れを…」と思う方もいらっしゃるかもしれません。 しかし、その“気持ち”が、実は法律違反につながってしまう可能性があるのです。
本記事では、刑務所や留置場で働く職員への贈り物がなぜ禁止されているのか、どのような行為がNGになるのかを、できるだけわかりやすく解説していきます。
そもそも「刑務官」や「留置係」ってどんな立場?
まず、刑務所や留置場で働く職員の立場を簡単に整理しておきましょう。
- 刑務所や拘置所の職員(刑務官)…法務省に所属する国家公務員。受刑者・収容者の生活管理や更生支援などを担当します。
- 留置場の職員(警察署内)…各都道府県警に所属する警察官。逮捕・勾留中の被疑者の管理や処遇を担当します。
いずれも、“公務員”として厳格な倫理規定のもとで職務を行っています。
国家公務員倫理規程とは?プレゼント禁止のルールをわかりやすく解説
刑務官は、国家公務員倫理規程に基づき、利害関係のある相手からの金品や物品の贈与を受け取ることが禁じられています。
これは、職務の公正性を確保するために設けられたルールで、「職務に影響が出るような贈り物は禁止」という明確な線引きがされています。
たとえば以下のようなものが該当します:
- 現金、商品券
- 食べ物(お菓子や飲料など)
- 書籍や文房具などの物品
- 直接渡さなくても、郵送などで届けたものも含まれます
禁止されている行為、お菓子や差し入れも含まれます
意外に思われるかもしれませんが、 「ありがとうの気持ちを込めたちょっとしたお菓子」や「お世話になるから役立つものを差し入れたい」といった善意からの贈り物も禁止対象になります。
また、留置場の警察官も同様で、一般の方が外部から「何か渡してほしい」とプレゼントを送ることも禁止されています。
たとえそれが100円程度の品物であっても、“公務員としての職務に影響を与える可能性がある”と見なされるのです。
なぜダメなの?善意でも違反になる理由とは
公務員が市民から贈り物を受け取ってしまうと、たとえその意図がなかったとしても、
- 「便宜を図ってもらうためだったのでは?」
- 「見返りを期待しているのでは?」
といった疑念を招く可能性があります。
これは、職員本人にとっても職場にとっても大きなリスクであり、社会からの信頼を損なうことにもつながりかねません。
そのため、ルールはとても厳しく定められており、「気持ちだけでも」という行動が思わぬ法律違反となるのです。
こんな場合もアウト!第三者を通じた渡し方・金銭のやりとり
「じゃあ、本人からではなく、第三者を通じて渡せばいいのでは?」と考える方もいるかもしれません。
しかし、これも当然NGです。
- 留置場の中の人が、知人を通じて職員に本や菓子を渡すよう依頼した
- 外部の人が「お世話になっている人のために」と職員に直接金銭を渡した
これらはすべて、贈収賄にあたる可能性があります。
職員が受け取れば「収賄罪」、外部の人は「贈賄罪」に問われる可能性があり、非常に重大な違反です。
例外はある?親族や知人からの“私的な贈与”の注意点
一部のケースでは、「個人的な関係」での贈与が例外として認められることがあります。
- 刑務官の親族が、お正月に菓子折りを持参した
- 昔からの友人に個人的なプレゼントを渡した
これらは、「職務に全く影響のない私的な関係に限って」許容される場合がありますが、
少しでも“仕事と関係がある”と判断される場合は違反になります。
グレーゾーンも多く、安易な判断は禁物です。
【実際の事件例】お菓子の差し入れが収賄事件に…
実際に、以下のような事件が起きています。
受刑者が外部の第三者を通じて刑務官に現金を渡し、その見返りとしてお菓子や本の差し入れの優遇を受けていた。
その気持ちはとても尊いものです。
差し入れをしたい場合は、施設のルールに則った正しい手段で行う必要があります。
- 食品・日用品の差し入れは、許可された方法でのみ可能
- 書籍・衣類なども、施設の基準に合致するもののみ受付
- 第三者の代行業者を通じた差し入れも、一部施設で対応可能
当サイト「さしいれや」では、留置場や拘置所に対応した正規の手順・手続きでの差し入れ代行サービスを提供しています。
職員に直接渡すのではなく、ルールにのっとって確実にご本人に届ける方法ですので、安心してご利用いただけます。
思いやりは大切。でもルールを守って支えることが一番です
誰かを想う気持ちは、いつの時代も尊いものです。
しかし、その想いが法律違反につながってしまっては、誰のためにもなりません。
刑務所や留置場の職員は、公平に職務を行うために厳格なルールのもとで働いています。
だからこそ、私たちもそのルールを理解し、正しい形で支えることが大切です。
「ありがとう」の気持ちは、正しい方法で伝えましょう。
困ったときには、私たち「さしいれや」が全力でお手伝いします。
