留置所内で、病気が発症し体調を崩したり、足を滑らせるなどしてけがを負ってしまうとどうなってしまうのか、ご家族としてはとても心配されることです。
風邪などの軽い症状の場合は、市販薬を毎食後に提供してもらえますし、同部屋の方に風邪をうつさないように、使い捨てのマスクなども1日1枚提供してもらえます。
市販薬利用の場合、簡単な手続きが必要です。
- 薬を利用するための書類に、理由と市販薬名称を記載し、指印を押す。
- 飲み薬の場合は、利用毎に書類に上記の記載を行う。
- 飲み薬を利用する際には、口の中に何も入っていないことを示し、留置担当官に見えるように薬を口に含み水で流し込み、飲み終わったことを口を開けて示す必要がある。
- マスクの利用は1日1枚とし、利用を終えたら返却する。
- 肌荒れ用の塗り薬は書類の記載の必要はないが、利用可能な時間帯に、塗り薬を持ってきてもらい担当官の見えるように塗り薬を利用し、返却する。
- 風邪薬を長期間(2~3週間程度)利用しても改善しない場合は、定期健診にて体調不良を医師に相談するように促される。
※すべての留置所で同じ手続きとはなりませんが、体調不良を訴えることで何らかの対処をしていただけます。(何もしてもらえないとあきらめずに、病状を訴えなければ何もしてもらえませんので、注意が必要です。)
のどの痛みや口内のトラブル時には、1日2回の歯磨き時に、うがい薬を提供してもらえます。
肌荒れや擦り傷の場合にも、市販薬の塗り薬を1日1回程度利用することが出来ます。
長期間留置所で生活しなければいけない人もいるため、1月に1回、医師が留置所に訪問し、勾留者全員の健康診断を行います。
【留置所内での医師による健康診断】
- 月に1回程度の健康診断が実施される
- 簡易触診と血圧診断と簡単な問診がある
- 問診時に、体調不良をしっかり訴えないと、何の対応もしてもらえないため、しっかりと訴えないといけない。
- あまり知られていませんが、不安などで睡眠障害になってしまった人には、睡眠薬も処方されます。
留置所に来診する医師によっては、あまり問診をされないこともあるため、自分から進んで体調不良を訴えないと何もしてもらえず、ますます体調を崩してしまうこともあるので、注意が必要です。
体調不良にもかかわらず、医師に何も告げないでそのまま放置してしまった結果、重大な病気が進行してしまい、留置所内で倒れてしまう事例もあるため、ご家族が面会された際やお手紙を出される際には、体調を気にかけてあげて、不調の場合はすぐに医師に診てもらうように勧めてください。
また、定期健診だけではなく、急な体調異変の際には、留置担当官へ訴えることにより、医師に診てもらえるように手続きを行ってもらえます。
留置担当官としても、万一のことがあっては、責任問題となってしまうため、入所者の健康管理に気を使っていただけます。
しかし、入所者の中には、体調不良を偽り、逃亡を企てようとする者もいるため、留置担当官としても本当に体調が悪いのか、緊急性を有するのかを判断しなければいけないため、気軽に病院へ連れて行ったりすることが難しく、数日後にある定期健診まで待つように言われてしまう場合もあります。
また、日ごろから医者にかかっていて処方箋を出してもらっている場合には、通院している病院名と病名、服薬名などを留置担当官へ伝えると、日ごろの処方してもらっている薬を取りに行ってもらえます。
処方薬が利用できることはあまり知られていませんし、留置所への入所時にもあまり説明がされないこともあるようで、薬を飲むことをあきらめてしまっている人もいるので、ご家族・ご友人から入所されている方への面会時やお手紙でお伝えいただくか、担当の弁護士から薬はもらえることを伝えてもらってください。
次に、実際の留置所内での健康管理に関する体験談をインタビューしましたのでご覧ください。
逮捕や留置所に入ることとなるショックで、自らにある最低限度の権利すらも見失っている場合もあるので、面会の際には医師の処方箋のある薬をしっかり飲んでいるか、急な生活の変化で体調を崩していないかを確認してあげてください。
医師から処方された薬は、医師の指示通りに留置担当官が管理し、毎食後であったり、就寝前であったり、指定通り確実に利用したかをしっかり見届けています。(錠剤の場合は、口に入れて飲み込んだかを口を開けさせて確認を行っています。)
また、薬全般は差し入れを行うことが許されておらず、留置所内での定期健診や医師の処方箋がないと、治療薬の利用できませんのでご注意ください。