留置所内で暴れたり大声を出し続けると特別な罰を受ける?

留置所内トラブル 留置所

逮捕・拘束され留置所に入り、その留置所内で被疑者同士の喧嘩で暴力をふるってしまうと、特別に重大な罰が待ち受けているように言われることもありますが、喧嘩などによる暴力行為は一般社会と同様に傷害罪として逮捕され、取り調べを受けたり起訴されたりしまが、特別に罪が重くなったり即刑務所へ連れていかれるといったことはありません。

また、留置担当官への暴力や暴言についても同様で、特別な罪による罰や即刑務所に連れていかれるということもありません。留置担当官への暴行は一般社会と同様に公務執行妨害などで逮捕や起訴がされますし、留置所内だからと言って、一般社会での逮捕とは違い、特別に重い罪となってしまうわけでもありません。

もちろん、相手がけがをしていなかったり、示談が成立すると留置所外と同様に不起訴となったりしますので、留置所内での犯罪も一般社会と扱いは同じなのであることと、特別に重くなるというわけではありません。

しかしながら、留置所内で暴れたり、大声を出し続けることは施設の治安を脅かす行為なので、「保護室」と呼ばれる特別な個室に入れられます。

あまりにも暴れて施設を壊そうとしたり、自傷行為や他人を傷つけると判断されると、拘束具で手足の自由を奪われて保護室内で反省することとなります。

もちろん、留置所内では複数の監視カメラと、暴れている現場の記録として留置担当官がビデオ撮影を行い、正当性を確保したうえで留置担当責任者の指示により「保護室」へ入れるという処分が下されます。

【留置所内で暴れるとこうなる】

  • 暴れている本人に対して口頭による警告がある
  • 警告を無視し続ける(改善されない)と大勢の留置担当官がやってくる
  • 大勢のうちの一人が、ビデオ撮影を行う
  • 暴れている本人を大勢で取り押さえる
  • 保護室へ連れていかれる
  • 保護室でも暴れるようなら拘束具で手足の自由を奪われる
  • 一定期間保護室で反省することとなる
  • 暴れていた本人と、暴力を受けた方が同じ部屋だった場合、暴れていた本人は別の部屋へ移され、運動や風呂、検察や裁判所への移送のタイミングも合わないように考慮される
  • 暴力を受けた方の怪我の具合によっては、暴行罪として逮捕され、取り調べや起訴を受ける(留置所内だからと言って、特別に罪が重くなるというわけではありません)

※すべての事案で同様の対応というわけではなく、ケースバイケースで処分は異なります。

また、過去に留置所内で生活されていた方から、体験談もうかがっておりますので紹介します。

Aさん(男性)の目撃体験談

同じ居室内に4人で生活していましたが、そのうちの一人(Bさん)がトイレの使用方法が汚く、チリ紙を少し濡らしてトイレの壁に貼り付けたり、紙をちぎって散乱させたりして留置担当官へも何度か相談したうえで、なかなか改善されないことから、同部屋の別の方(Cさん)がBさんに対して厳しく注意を行っている過程で、喧嘩となってしまい注意を行うCさんがBさんに手を出してしまいました。

部屋の外では留置担当官数人がやってきて注意を行うとともに、ビデオ撮影がされていました。

Cさんが手を出したので、Cさんを居室から連れ出し保護室への移動となり、注意を受けていたBさんは別の部屋(たぶん個室だと思います)への移動となりました。

数時間後に保護室での反省を終えたCさんは元の部屋へ戻ってきました。

今回の場合、もともとBさんの行いが悪かったことと、Bさんは怪我を負っていなかったことなどから、Cさんは一時的な保護室の反省で元の部屋に戻ってきて、留置担当官が要注意人物としていたBさんを個室へ移動させるという処分になったのだと思います。(留置担当官へ何度か相談した時点で、Bさんを別の部屋へ移動することを検討してもらっていました。)

その後、Cさんのいる我々の部屋の人間と、Bさんは顔を合わさないように、運動の時間や風呂のタイミング、検察や裁判所への移送時にも同じ車にならないようになど、これ以上トラブルが起こらないように対応されました。

Dさん(男性)の目撃体験談

私の目撃は風呂場でのトラブルでした。

私のいた留置場では20分以内に風呂を上がらなければいけないルール(着替え時間も含む)でした。

私より先に入浴されていたEさんは、風呂の見張りをしている留置担当官から「●●番(Eさん)はあと5分で終了!」(留置場では拘留者は名前ではなく、番号で呼ばれています。)と言われていましたが、着替えることも無く、ゆっくり湯船につかっていました。

その後もゆっくり湯船につかっていて、留置担当官から「●●番(Eさん)は風呂終了しているのですぐに上がるように!」と注意を受け、しぶしぶ湯船を出て着替えて外に出ていきました。

私はまだ風呂場にいたので、風呂の壁に取り付けられている監視窓から一部しか目撃が出来ませんでしたが、Eさんは留置担当官から厳しく注意を受けているようで、反発したEさんは留置担当官の肩を押して(触って)しまったようで、留置担当官は「触ったな!」と言い緊急時の笛を吹いたようで、大勢の留置担当官が風呂前へ押し寄せてきました。Eさんと留置担当官は「触った」「触ってない」の押し問答がしばらく続いたのちに、Eさんは保護室へ連れていかれたようでした。

この時来た留置担当官の一人はビデオ撮影をしているようでした。

風呂場の出入り口には外からカギがかけられているので、私たち風呂に残された者たちは風呂から出ることが出来ず、30分近く風呂にいることとなってしまいました。

残された者の中には、どうせすぐには出られないと予想し、もう一度湯船につかる強者もいましたが、私はどうしてよいかわからず監視窓をのぞき込んで様子を伺っていました。

その後、風呂の監視は別の留置担当官へ交代となり、残された我々はようやく風呂を出ることとなりました。(再度湯船に浸かっていた人は、もちろんお咎めなしです。)

留置担当官も怪我をしていなかったことなどから、Eさんは半日ほど保護室で反省し、元の部屋へ戻ったようでした。

留置所内での暴力行為は、留置所の外の一般社会と同様に処分されると記しましたが、留置所内では複数の監視カメラや、緊急時には留置担当官がビデオ撮影を行いますので、事件発生時の証拠がしっかりとられおり、言い逃れが出来ないようにしています。

もちろん、留置担当官による取り押さえの様子も音声込みの動画でしっかり記録されていますので、留置担当官の不適切な行為があった場合は、のちに証拠としてしっかり採用されます。

留置担当官は、問題が起こった場合にはしっかりとした手順を踏んで、施設内のルールに従って治安維持を行っています。

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