職務質問や任意同行は、あくまで任意であり、拒否することは可能ですが、あまりにも言動が怪しかったり、拒否し続けていると「これは何か違法なことをやっているのではないか?」と強く疑いを持たれてしまいます。
怪しいということだけでは、強制力のある「逮捕」は難しいですが、職務質問や任意同行を何度も求められてしまいます。
何もやましいことがないにもかかわらず、職務質問や任意同行を求められ、不快な思いをされる方もおられますが、警察も治安を守るための大事な仕事を行っているということも忘れてはいけません。
職務質問を拒否し続けること自体が、「公務執行妨害」には当たりませんが、暴行や接触などの暴力等をふるったり、逃亡したりすると、公務執行妨害として逮捕されることとなってしまいます。
結局、職務質問や任意同行を拒否できないのではないか?
法的には、拒否できるとなってはいますが、拒否し続けることで「犯罪性」を疑われてしまい、たくさんの警察官に囲まれた挙句、逮捕状がとられて逮捕されるといったテレビでおなじみの一連の流れが実情のようです。
しかしながら、職務質問・任意同行を拒否したにもかかわらず、強制的に警察署へ連れていかれたり、(礼状なしに)逮捕されてしまうと、その強制行為が違法捜査と判断されてしまい、証拠も無効となってしまうため、警察も慎重に対応します。(必ず、「任意に応じた」ということを認めさせたうえで、職務質問や任意同行を行いますので、拒否する場合は、「協力する」「認める」「応じる」と言った言葉は発してはいけません。)
また、逮捕直前で任意同行を求められるような場合もあり、逮捕が決まっているのに任意同行をあえて求められれから逮捕ということもよくあるようです。
この場合は、任意同行を拒否したことが、「証拠隠滅を図ろうとした」「逃亡しようとした」と思われてしまい、のちの捜査や裁判で不利益を被ることもあるようなので、心当たりのある人は任意同行を拒否しないほうが良いようです。
何も心当たりがないのに、やはり応じなければいけないの?
世間一般では、任意同行に応じて警察署に出頭することは、「ほぼ犯人だ!」と周囲に思われてしまい、学校や会社、家庭内でつらい思いをすることにもつながってしまいますので、心当たりが全くなく、周囲からも白い目で見られたくないと考える場合は、しっかりと理由を説明し、拒否して問題ありません。
場合によっては、弁護士と連絡を取り、アドバイスをもらうなど、防御処置をすることも必要です。
穏便に済ますには、職務質問の時点でしっかり対応し、やっていないことはやっていないときっぱりと任意同行を拒否し、警察官に納得してもらったうえで、その場を立ち去ることがよさそうです。